時々耳にする「農業生産の効率化」、これは
結局何のことなのでしょうか?
規模拡大?省力化?自動化?資材コスト削減?販路の見直し?
農業生産において、利益をもたらすのは
収穫物以外のなにものでもない、ということを
考えると、なんとなく答えが見えるのではないでしょうか。
◎収穫量を上げる ◎秀品率(歩止り)を上げる
◎品質(販売価格)を上げる
こういったことが農業生産の効率化だと思います。
なぜなら、規模拡大をしても、それに合わせて設備投資や
人件費が増えたらあまり意味が無いですし、今まで10時間かかっていた
作業を自動化して2時間でできるようになったからといって
余った8時間でテレビを見ていたら、それもちょっと。。
規模拡大をして、いろいろな作業の効率が上がる、
設備の稼働率が上がることでコストが減る、
作業を自動化して、余った時間で今までできなかった
管理作業をして収穫量アップ+品質向上、
こうなるのが理想ですが。
世界には、収穫量アップ、品質向上に貪欲に向き合う
国があります。イスラエルです。
イスラエルのかん水(水やり)に関わるシステムの
ほとんどが「作物の健全な生育」、「収穫量アップ」、
「水の節約」、「肥料の節約」を謳っています。
もはや「省力化」なんて誰も言っていません。
日本との違いはそこなんです、きっと。
イスラエルに拠点を置く会社の栽培(給液)システムの概要を紹介します。
このシステムは植物体(作物)の成長や収縮に合わせて
養液を与えるシステムです。通常は蒸発散によって失われた水を
かん水で補給する、という考え方のもと、かん水量を決定します。
リンクはペルーでのマンゴーの栽培での実証です。
作物体の生育などをもとに管理をするシステムを試験区、
作物蒸発散量をもとに補給する方法の慣行区を比較しています。
https://supplant.me/wp-content/uploads/2019/05/Mango-Board.pdf
結果として、このシステムで管理をすると、試験区は
慣行区と比較して収穫量が1.5倍になっています。
収穫物の数量は47%増、平均果量も3.5%増、水利用効率も
大幅に増加、ということで、単年で明らかな効果が出ています。
設備の導入による「農業生産の効率化」です。
収穫量が1.5倍ですから、売上も1.5倍と考えると、
設備コストは十分に回収できるでしょう。
イスラエルには他にも多くのシステムが存在します。
システム(ハードウェアやアルゴリズム、AI)を
使って目指すところは一つ、なのです。
さて、少し変わった話題を。
今、多くの国で(いちばん)盛り上がっている作物を知っていますか?
英語でCannabisと呼ばれる植物です。
英語のスラングでは他に多くの呼び名がありますが、
ここではそれには触れないでおきましょう。
この植物は収益性が非常に高く、セキュリティ等の
問題もあるからか、植物工場で栽培するのに
最適な植物の一つ、とされています。おそらく。
新しい植物工場ができたと思うとCannabisの栽培、
というようなこともしばしば・・・。
高収益性の作物の栽培による「農業生産の効率化」???
https://www.jainsusa.com/blog/Cannabis-Growers-Shift-Attention-to-Technology
※日本国内では「Cannabis」を許可なく栽培することは違法です。
sunhope mailmagazine vol.2
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