その時々で、文化や経済活動のなかに
流行りの言葉、が存在します。
ここ数年で急に耳にすることが多くなった気が
する言葉に「サステナビリティ」、
「Sustainable」とか「Susteinability」があります。
その言葉そのものだけだと、結局どういうこと?
と思うのですが、
要は「未来に向けていい感じ」ということでしょうか?
さて、農業のこれからを語る上で
この「サステナビリティ」は、結構重要になるようです。
農業から少し広げていけば、環境問題、エネルギー問題、
経済活動、人口増加、・・・。
人間の基本的な活動の「食べる」ということにおいて
直接的に重要な役割を果たす「農業」ですから、当たり前ですね。
以前の記事「迫りくる食料難に向けて」でも紹介した通り、
2050年代には世界の人口は100億人に達するとされています。
人口の増加に伴い問題になるのが食料の問題。
FAOの試算では、人々のおなかを満たすためには
2050年までに食料の生産を70%増やす必要が
あるそうです。エネルギー源として食されている
たんぱく質などは、今は穀物や肉、乳製品、魚などから
得ていますが、資源の枯渇や環境破壊などにより、
これまで以上に供給をしていくことが難しいとされています。
イスラエル農業のポータルサイト
「Israel Agri」 より
今注目されている、サステナブルな
エネルギー(たんぱく)源「昆虫」についての記事
ご紹介します。
昔から、昆虫は良質なたんぱく源として知られていました。
その中でも特に栄養価が高いのがバッタだそうです。
バッタの70%はタンパク質というから驚きです。
ちなみに、クセのない味のおかげか、アジア、
アフリカ、中米などでは昔からバッタが
食されているとのこと。
バッタ食には問題もあります。
通常は野生のバッタを捕まえるわけですから、
その時期というのがある程度限られてしまいます。
一年の中で、バッタを捕まえることができる
時期というのはたった4~6週間だとか。
ということで、必然的に登場した
ビジネスがバッタの養殖です。
過去にも問題の解決のためにカエルや
ザリガニなど、それまであまり食べられて
こなかったものを海外から持ってきて
養殖することは行われてきましたよね。
その流れでしょうか。
そしてイスラエルで誕生した
バッタプロテイン(そうは謳っていない)屋さん
「Hargol」https://hargol.com/
おしゃれな紙袋の中には乾燥したバッタが・・・、
と思いきやパウダーにしているのですね。
とある大学での調査の結果、バッタプロテインの
すごさが明らかになってきました。
同じ量のたんぱく質を得るために牛を
育てるのと比較した場合、バッタ養殖は
温室効果ガスの排出量98.8%削減、
水の使用量1000分の一、
農耕地の利用面積1500分の一、など。
イチロー元選手のシアトルマリナーズの本拠地の
野球場ではバッタスナックが買えるそうです。
アメリカやヨーロッパではバッタメニューを
出すレストランが増えているとか。
そういえば、日本ではバッタではなくて
イナゴが昔から食べられています。
稲刈りの終わった田んぼで捕まえられて、
丁寧な下処理をした後、佃煮に。
この流れを受けて、日本にもバッタ牧場ができる可能性も??
ウシガエルやアメリカザリガニのように、いつのまにか
日本の生態系に入り込んでしまうことが
ないといいのですが。
サステイナブルなバッタが食用として
日本にやってきて、逃げたバッタが増えて
その土地の自然に影響を与えてしまう
こともあるかも・・・
サステイナブルってどういうこと?
sunhope mailmagazine vol.10
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