国内では5月25日の緊急事態宣言の解除から段階的に
経済活動が再開され、試行錯誤の中、
ウィズコロナへの取り組みが続けられています。
自粛期間中に人々の生活スタイルが変わったことで、
農業に関わる分野にも変化が起こりました。
複数の新聞で取り上げられたのは、
「コロナ禍で都市部で家庭菜園がブーム」というものでした。
外出制限によるライフスタイルや食の意識の
変化、特定商品の在庫不足など、複数の要因が
重なったと考えられています。
https://www.agrinews.co.jp/p51061.html
世界各国の都市部でも同じ動きが見られるようです。
地球環境問題や世界経済のニュースから問題を提起し
世界中の人々が意見交換を行うサイト「resiⅼience」には、
都市農業の可能性について触れた記事があります。
「都市封鎖に見られる都市農業や家庭菜園の可能性」
2018年の段階で、世界の都市部に住む人の割合は、
北米82%、ラテンアメリカとカリブ海で81%、
ヨーロッパ74%、オセアニア68%、
アジアは約50%、アフリカが43%。
米国で最も人口密度の高い都市
ニューヨークでは、コロンビア大学の研究によると
都市農業に適した土地が20㎢もあることが判明しました。
英国でも現在商用園芸に使用されている
土地面積の4倍相当にあたる庭園や緑地が、都市農業用に
変換できる可能性があるという調査が発表され、
英国の国内生産率(果物16%、野菜53%)を
向上させることが期待されています。
シンガポールは食糧の90%以上を輸入に
頼っているが、2030年までに必要な栄養源の30%を
国内生産の果物・野菜、肉魚からのタンパク質で
確保することを目指し、屋上農園を含む
都市農業に注目しています。
人口密度の非常に高い都市・パリの緑地面積は9.5%にとどまり、
これは世界の主要都市37位中32位であるため、
計1㎢の緑化計画が立てられ、そのうち3分の1は
食糧生産に使用される予定です。
実際に2016年から進行中のプロジェクトでは
推定1,240トンの野菜果物、キノコ類が生産されました。
世界中の都市で都市農業を完全に実施した場合、
年間1億8,000万トンもの食料を生産できると
推定されており、食糧安全保障の取り組みを
支援する可能性を秘めています。
また、雇用の創出、コミュニティの構築、食糧輸送の
環境コストの削減、都市部の気温上昇の抑制、
レクリエーションと教育の機会など、様々な面において
都市農業がプラスの影響を与えることができるとしています。
その他、オリジナル記事では世界の都市農業の歴史にも触れています。
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sunhope mailmagazine vol.14
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