皆さんは「中国産農産物」と聞いてどんなイメージを持ちますか?
2000年初頭に相次いだ中国産食品トラブルの
報道が記憶にある方は、食の安全に対して
マイナスイメージを持ってしまいがちではないでしょうか。
そんな中、海外農業ニュースにこのような記事を見つけました。
文化や芸術、経済問題、科学技術など幅広いニュースを
取り上げるオーストラリア発のサイト
「中国、有機栽培面積が5倍に増加」をご紹介します。
記事によると2005年から2018年にかけて、中国では
有機農業の栽培面積が5倍以上に増え、
310万ヘクタールに達しました。
310万ヘクタールとは東京ドーム約66個分の大きさです。
・・・とイマイチ想像しにくいので、実に
岩手県の2倍以上の面積です!
×2
この圃場面積では、2017年に中国はオーストラリアと
アルゼンチンに次ぐ世界ランキング3位、
有機農産物の売上は、米国、ドイツ、フランスに次いで
4位となりました。
そもそもの農地面積が日本の比ではないと考えがちですが、
2018年の中国の有機農地面積は、全農地面積の0.6%を占め、
同調査での日本は0.24%と、割合でも日本を上回っていたのです。
この劇的な有機農業の成長にはどんな事情があるのでしょうか。
中国では過去、肥料や農薬の過剰施用や健康や環境への
悪影響が起こったことは事実ではありますが、
そこからのより持続可能な食糧システムへの転換が
行なわれてきました。
生産者は自らの健康や生態系の保護、経済的理由による
化学農業からのシフトへ、国内消費者(主に中流・上流階級)の
健康意識の高まりからの有機農産物への需要が高まっていると言います。
また、2019年の有機農業認証と産業開発に関する
中国の報告書によると、中国の有機食品輸出の最大の
市場として、米国、ヨーロッパ、日本が挙がっています。
政府としても国内の生態系危機に対応して
有機農場へ支援に注力しています。
支援は幅広く、認証やインフラ、資材などの
資金援助、土地確保、教育やマーケティングにまで及びます。
有機農業の成長の理由は、
トップダウンとボトムアップ、双方の取り組みによるもの。
小規模生産者への普及や高価な販売価格などの課題にも
直面しているようですが、この取り組みから
日本も学べることがあるのではないでしょうか。
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sunhope mailmagazine vol.16
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