作物の栽培において、地上部の環境や、養水分管理は
昔から多くの研究がなされています。
そして、いろいろな手法により管理
されるようにもなっています。
最近注目されているのは、
これまで、あまりフォーカスされていなかった
地温(培地温、養液温度)です。
これまでの地温の管理といえば、養液栽培の
培養液の温度管理や、培地の温湯管や冷水管に
よる温度制御などがあります。
これらは設備にお金をかけて積極的に
温度管理を行う方法です。
露地の畑などでは季節によっては
地温が下がりすぎないような対処(マルチなど)が
行われます。プラスチックマルチなどで培地を
覆うことで保温する方法です。
これらは比較的安価に管理ができますが、
地温を保つ/上げることはできても
下げることは難しかったりします。
イスラエルに地温の管理のシステムを
専門に開発する企業があります。
作物の根域や養液栽培の培養液温度の
管理などを行うシステムを開発しています。
培地や養液の温度を作物に対して
好適に保つことで、多くの問題を
回避できる利点があります。
-水分中の溶存酸素の量が保たれ、作物が効率よく吸収できる
-低温によるリン欠乏を防げる
-高温によるカルシウム欠乏を防げる
-高温による光合成の低下を防げる
-凍霜害を防げる
などなど。
作物の根域の温度制御の方法はいくつかあります。
ひとつはヒートポンプを使って冷水(もしくは冷媒)や
温水(もしくは熱媒)を作り出し、パイプを
通して培地内に送る方法です。
地熱を利用する方法もあります。
地下10m程度の地温は、年間を通して、
その場所の年平均気温と同じくらいに保たれるとのことです。
つまり、冬場は暖かく、夏場は冷たい。その熱を
利用して、地中に埋設したパイプに
熱媒/冷媒を通して熱交換し、地上部で利用する
というものです。
そしてもうひとつはこれらの組み合わせの
ハイブリッドシステムです。
地熱を利用するシステムは非常に低コストで
ランニングコストも低く、環境にも優しい仕組みといえます。
ハイブリッドシステムは少ないエネルギー投入で
よりきめ細やかな温度管理ができるようになります。
これからのサステナブルな農業には、地球や
太陽のもつエネルギーをうまく利用した
こういったシステムが活躍をするのではないでしょうか。
記事ソース
https://www.israelagri.com/?CategoryID=403&ArticleID=1958
関連企業 ROOTS
sunhope mailmagazine vol.22
Copyright (c)SUN HOPE CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.