気温が急激に下がることで起きる凍霜害(とうそうがい)。
霜が降りるほどの低温により、作物の細胞内外の水分が凍り
細胞が破壊れて枯れ死してしまう現象です。
新芽や蕾が枯れてしまうと収穫量は激減し、
品質低下などの悪影響がでます。
2021年4月中旬、全国で急激に気温が下がり
岩手県のリンゴ、山形県のサクランボやブドウ、福島県の桃や柿、栃木県の梨、
長野県のリンゴやアスパラガス、和歌山県のお茶など各地の農産物への
甚大な被害がニュースとなりました。
(参考)
リンゴ栽培指導会 凍霜害被害顕著に – JAいわて中央 (ja-iwatechuoh.or.jp)
霜・ひょう被害、支援急務 県内JA、知事と意見交換|山形新聞 (yamagata-np.jp)
霜で特産のナシ、記録的な被害:朝日新聞デジタル (asahi.com)
農作物の凍霜被害深刻 5市町で1億7000万円超 | 地域の話題 | 株式会社市民タイムス (shimintimes.co.jp)
対策は、なんらかの方法で霜を防ぐこと。
このような方法があります。
燃焼法:稲わらや固形燃料を燃やして空気を温める方法。
一晩中の燃料を用意し、火力の調節をする必要があります。
送風法:高所に設置した防霜ファンを使い、上空の温かい空気と地上付近の冷たい空気を
攪拌して降霜を回避する方法。
被覆法:作物を直接被覆材で覆い、その被覆材に霜をつける方法。
背の低い作物(野菜など)に有効。
散水氷結法:スプリンクラーで水を撒き、
水が氷になるときの潜熱を利用して作物の温度を0℃前後に保つ方法。
ん、スプリンクラー?
スプリンクラーのサンホープ 創業社長の益満和幸は、
1979年 宮崎県のお茶園 上水園様と協力し、散水氷結法の研究を開始。
日本で初めて散水氷結法による凍霜害防止を
成功させたのです!!!!
その技術とサンホープが考案したシステムは全国に広がり
上水園様は1983年 宮崎日日新聞農業技術賞の受賞
という大きな成果を上げました。
散水氷結法について、Youtubeでもご紹介しております。
スプリンクラーを使った散水氷結法で、凍霜害防止。 – YouTube
※動画内で紹介している製品は現在モデルチェンジしております。
こちらは、岩手県のサクランボの事例。
枝と新芽が氷に覆われています。
つららが、まるでオブジェのようです。
この氷が溶けたら、サクランボは何事もなかったかの
ように成長を続けるというのですから・・・。
作物の生命力もさることながら、
散水のタイミングを見極める農家さんの判断力も
見事としか言いようがありません。
近年の凍霜害、特に晩霜害は、地球温暖化により
作物の開花時期が早まり成長速度が変化している影響もあるとか。
(参考:国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構
果樹研究所「気候温暖化条件での晩霜害発生の特徴と危険度評価」
PowerPoint プレゼンテーション (affrc.go.jp)
かん水システムは夏場の日照りに活躍するイメージが強いかと
思いますが、水の力は寒さにも有効。
天候不順、異常気象への備えは、不可欠となりそうです。
作物を守り育てるかん水システムについては
サンホープにご相談ください。
sunhopemailmagazine vol.31
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