3月30日のサンホープウェビナーは、イスラエル農業を研究されている
拓殖大学 国際学部 竹下正哲教授の特別講演
「ハイテク農業は利益を生むか、コストになるか
~イスラエルと日本の違い~」でした。
(100名を超える参加登録&講演の満足度は大満足・満足合わせて90%の高評価!)
現在、イスラエルで研究生活を送る竹下教授は、
イスラエル農業と日本農業の差は「経営の違い」にあることを発見。
日本が世界で伍していくための「経営の改革」の重要性・必要性を
様々なデータや実体験をもとに解説。
イスラエルにはほぼ全ての圃場にドリップかん水システムが整備されており、
それをベースにドローンや収穫ロボットなどを付加して収量を上げる。
日本が高収量、高品質の農作物を輸出して世界で
勝ち残るためには、助成金に頼らず収益を
確保できる経営体制の確立、かん水システムの整備を
進めるべき、と結論されました。
この講演に関連する記事をイスラエル農業のポータルサイト
IsraelAgriで見つけました。
イスラエルの農業農村開発省 大臣Oded Forer氏の発言。
「革新的な農業技術の導入によりイスラエル農業は発展します。
革新的なソリューションと既存のソリューションを組み合わせることで
農家は単位面積あたりの収量を増やし経費を抑えることができます。
同省が新技術導入の支援にイニシアチブ(=主導権)を持つのは
イスラエル農業を産業として発展させるためであり、
国民に食料安全保障を提供するためです」
農業農村開発省は、今年総額3000万NIS(約9億円)の助成金を投資。
2000万NIS(約6億円)を新技術の実用化や実装プログラム開発に、
1000万NIS(約3億円)を農家が農作業を機械化、自動化するための
購入費用に充てる、という内訳です。
昨年、果樹の垂直栽培を可能にする新技術を300を超える農家に
導入するために7500万NIS(22億5000万円)が使われた結果、
生産コストの節約と収量UP、品質向上を実現し成果を上げました。
農家への助成金として承認される技術は
人工知能(AI)、画像処理(IoT)、複数のデータ処理(ビッグデータ)
とロボティクス、およびハードウェアまたはソフトウェアシステムなど。
これらはすべて、作物の収量と質を向上させることができます。
記事全文はこちらから
https://www.israelagri.com/?CategoryID=453&ArticleID=2062
イスラエルの農業が官民学の連携で発展していることを
ご存じの方も多いかと思います。
革新的な技術を生み出す企業・研究機関、
その技術を積極的に利用する農家、費用面で後押しする政府。
高額の助成金を、生産性を高める技術を利用する農家に付与される点からも
農業農村開発省が農業を発展させるためのイニシアチブを
もっていることが、よくわかります。
前述のウェビナーでの、竹下教授の一言。
「イスラエルの農家は新技術の導入に躊躇がない。それは、国民性だと思う」
歴史的な困難を乗り越え、リスクをとりながら発展してきたイスラエル。
その精神は農業業界でも存分に発揮されているのですね。
イスラエルの官民学の連携については
メールマガジンvol.26でご紹介しております。
イスラエルで農業スタートアップが成功する5つのキーポイント|サンホープ メールマガジン|スプリンクラーの株式会社サンホープ (sunhope.com)
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